【しののめひらい酒蔵訪問】秋田の 日の丸醸造・まんさくの花
姫路しののめ
(株)平井商店・酒ひらい
店主の平井陽介です
(ホームページはこちら→https://sakehirai.com/ )
東北・秋田県にある酒蔵、日の丸醸造に行ってきました。
日本屈指の豪雪地帯、秋田県横手市。
ここは、雪まつり『かまくら』でも有名ですね。
今回は、この地で造られる銘酒『まんさくの花』の醸造元を訪問した話です。
極寒がゆえに生まれる味わい。
いったい、どんな町なんだろう?
ワクワクしながら、
日本海沿いにある秋田駅より電車に乗り込み、
十文字駅を目指しました。
単線の両脇には、ひたすら雪景色が広がっていました。
秋田市からの移動でしたが、やはり内地は雪の量が違いました。
私がもとめていた冬の秋田のイメージはこれだ!って感じで、車窓にくぎ付けでした。
人の乗り降りも少ない。寡黙な車内でした。
花火大会で有名な大曲(おおまがり)を超え、電車はいよいよ内地を南下し始めました。
そうこうしているうちに、十文字駅に到着しました。
駅には、日の丸醸造の佐藤譲治会長が迎えにきてくださいました。
さっそく酒蔵に向かいます。
この辺りは、江戸から明治にかけては流通の中心として
県内随一の繁栄を極めた地域だったそうです。
確かに古い町並み。
最近は観光客も多いとの事。
ただ、『さすがにこの時期は少ない』と笑っておられました。
蔵につくと、雪下ろしの作業中でした。
私は思いもしなかったのですが、雪下ろしは業者さんに外注するものらしいです。
下ろすことは出来ても、それを運ぶことは難しいので、頼むのが現実的とのこと。
『とにかくお入り下さい』その声に促され、建物の中に入りました。
古い引き戸をしめ、当主のあとを歩いていきました。
『ちょうど蒸米が上がっているから、まず行きましょう』
ああ、この香り。まさに酒造りの現場です!
譲治会長に簡単な説明を受けながら、蔵を一回り。
途中から、時間を作ってくださった公治社長から再度、丁寧に説明して頂きました。
公治社長から、どこか改良、革新できないか?を、もとめ続ける想いを伺いました。
『美味しい酒を醸し続ける。
それは、当然のこととして、その上で人が働きやすい職場に変えて行きたい』
『成分分析なども、しっかりやる。
スマホをフル活用して、情報の社内共有方法も時代に合わせて行く。
効率を高める工夫を重ねる』
『その一方、昔ながらの方式で良いとおもったものは、いくら非効率でも継続する』
密閉された瓶詰め機など、いろんな工夫が施され続けているそうです。
ここで、酒造りとは離れますが・・・
酒蔵内にある、内蔵(うちくら)も見せて頂きました。
(内蔵とは、貴重品を保管するために、建物の中に造られた蔵のことだそうです)
私の写っているのは内蔵の1階、会長&社長が写っているのは内蔵2階です。
豪華な外装、内装は、当時の繁栄が偲ばれます。
このエリアには、内蔵がある家が多いとのこと。
横手市増田町を語るには、この内蔵の存在抜きには語れないようです。
テレビ取材で、草刈正雄がやってきたときのお話など、
楽しいエピソードをたくさん伺えました。
やはり酒蔵は歴史と共にあるんだなぁ~と、改めて認識しました。
その後、譲治会長と近くの手打ちそばで昼食。
知る人ぞ知る名店で、ゆっくりとした時間が流れる座敷で頂きました。
美味かった!
ちなみに、NHKの朝の連続テレビ小説『まんさくの花』が、
秋田県横手市を舞台に放映されたのを機に、
新たな銘柄である『まんさくの花』が誕生したそうです。
きれいで優しい酒質を目指したブランドとして、
日の丸醸造の代表銘柄として定着しています
最後、売店で試飲。
店の中で、素敵な商品ラインナップと共に目を引いたのはグッズ。
これが中々楽しい。
平井商店に持って帰っているので、機会があれば、見て欲しいです。
楽しい時間は、あっという間に過ぎてしまいました。
今日中に山形県に入る予定ですが、電車が2~3時間おきしかないので、
乗り遅れないよう早めに酒蔵を後にしました。
(左から、譲治会長、わたし、公治社長)
横手市は、美しい田園風景が広がる全国有数の穀倉地帯でもあります。
そして冬になれば、豪雪で極寒。
その中で、井戸でくみ上げる雪解け伏流水を使用して酒造りを行う。
極上の軟水で、低温長期発酵との相性が抜群なのは、神の恵みかも知れません。
地の利と極寒の気候が生む銘酒。
これからも目が離せません。
日の丸醸造さん、ありがとうございました!!